プロバスケットボール bjリーグ公式ブログ

プロバスケットボール「bjリーグ」。このブログではリーグ情報に加え、参戦する青森、岩手、秋田、仙台、福島、新潟、富山、長野、群馬、埼玉、東京、横浜、石川、浜松、滋賀、京都、大阪、奈良、島根、広島、高松、福岡、大分、沖縄のチーム情報を掲載しています。

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レポート記事

【レポート】孫選手、入団記者会見

孫 明明9月2日(火)11:00より日本アムウェイ本社ビルにおいて、浜松・東三河フェニックスに入団した孫明明(ソン ミンミン)選手の入団記者発表が行なわれた。

236cmとbjリーグ最高身長となる孫選手は中国のハルピン出身。14歳から本格的にバスケットを始め、中国リーグで活躍後、3年半前にNBAを目指しアメリカに渡った。その後、アメリカの地域リーグ、メキシコリーグなどでプレーしていたが、今年8月にbjリーグがラスベガスで開催したトライアウトに参加。浜松・東三河フェニックスの中村ヘッドコーチの目に留まり、契約することとなった。

つま先立ちでダンクを決める孫選手は、参加した外国人選手から写真を求められるほど、その存在感は群を抜いており「bjリーグからNBAの選手が出ることを目指して、これから彼を育てていきたい」と中村ヘッドコーチも大きな期待を寄せる。得意なプレーはインサイドだが、孫選手自身は「本当はガードをやりたいけれど、全てのプレーをやりたい」と意欲を燃やしている。中村ヘッドコーチは「僕としてはゴール近辺にいてもらいたい。これは結構、俺ともめるな」と苦笑い。アメリカサイズで7フィート9インチ(236cm)を示す79番を背に、ゴール下の圧倒的な存在感が、今シーズンのbjリーグで大きな話題となりそうだ。

★記者会見の動画は「bjtv」をご覧下さい。

ワイルドカードゲームのワンポイントみどころ

今年から新たに導入されたワイルドカードゲーム。そのみどころを河内コミッショナーに伺った。

ワイルドカードゲームの組み合わせは両カンファレンスともに、日本人HCと外国人HCの戦いとなった。元NBAプレーヤーのジョー・ブライアントHCと対するのは、日本代表コーチの経験もある廣瀬昌也HC。欧州各国でヘッドコーチを務め、ナショナルチームを率いた経験を持つカール・ジョン・ニューマンHCと対するのは、昨年1年目ながらリーグ2位の成績を残した青木幹典HCだ。海外リーグでの経験豊富な外国人ヘッドコーチと日本のバスケを熟知する日本人ヘッドコーチ。そのベンチワーク対決に注目してもらいたい。

ヘッドコーチの意図を読み取ることが出来るのはタイムアウトやメンバーチェンジ。とくにタイムアウトは試合の流れを変える重要な役割を担う。タイムアウト直後に得点に結びつくオフェンスが出来ているか?ディフェンスに変化はあるのか?またタイムアウトのタイミングなど、ヘッドコーチの動きに注目して見ると、試合がさらに面白くなるだろう。

ワイルドカードゲームは一発勝負だけに、かなり白熱した試合になりそうだ。まずは今週末、是非会場に足を運んで、会場の熱気、チームの気迫を思う存分楽しんでもらいたい。

QRコード★現在、bjリーグ公式携帯サイト(月額310円)ではイースタン、ウェスタン、両カンファレンスのワイルドカードの予想を掲載中。右記QRコードをご利用下さい。

取材・文/柴田愛子

解説者・河内敏光 2007-2008シーズン展望

3年目を迎えるbjリーグ。2007-2008シーズンは新たに2チームを加えた10チームが激闘を繰り広げる。今年はカンファレンス制の導入など新たな試みもあり、さらなる盛り上がりが期待される。今シーズンのみどころや展望をBSフジ「プロバスケ! bjリーグtv」の解説でおなじみ、河内敏光氏(bjリーグコミッショナー)が占う。

■イースタン・カンファレンス

仙台89ERS
ディオウフが抜け、得点力に不安の残る仙台。持ち前のディフェンス力で、失点を最小限に抑えることがシーズン序盤を乗り切る術だろう。昨年スタートダッシュに失敗したことで、シーズン全体を通して勝率5割を行ったり来たり。それだけに今年は開幕後の数試合が正念場となる。昨シーズンの二の舞にならぬよう、いいスタートが切れるかがシーズンを占う上で重要となってくるだろう。

新潟アルビレックスBB
ゴール下の要であるデービスが移籍したことで、今までのプレースタイルを変えざる得ない状況となった。今までのようにオフェンスリバウンドは取れないことを想定し、アウトサイドのシュート成功率を上げることで、デービスが抜けた穴を埋める。昨年は怪我人が続出し、若手が伸び悩んだ感のある新潟。しかし、プレシーズンゲームでは順調な仕上がりを見せ、シューターも着実に育っている。今年が正念場となるであろう新潟が、どんな戦い方を見せてくれるかに注目。

富山グラウジーズ
富山は外国人選手が総入れ替えとなり、新メンバーが日本のバスケに馴染むまである程度の時間が必要だ。チーム固めの段階だけにシーズン序盤は苦しい戦いが予想される。そんな中、3Pに期待のかかる蒲谷の加入は大きい。既存の日本人選手も昨年一年間で大きく成長した。bjリーグで2年目を迎える今シーズンは、日本人がチームを引っ張る。

埼玉ブロンコス
東カンファレンスのダークホースとなるのはこのチーム。過去2シーズンは下位争いに甘んじている埼玉。試行錯誤のチーム状況の中、日本人選手のプレーイングタイムが増えたことで、チームの底上げに成功。さらにディオウフを獲得したことで、得点力のアップも期待できる。レベルアップした日本人とチームにフィットした外国人。今年は非常にバランスのいいチームに仕上がっている。今シーズンは十分上位を目指せる実力を持ち合わせているといえるだろう。

東京アパッチ
昨シーズンは最下位に終わった東京。オフェンス力の高いチームだけに、ディフェンス面の脆さが目立った。しかし今年は一味も二味も違う。リーグNo.1のディフェンス力を持つデービスが加入し、最重要課題だったセンターの補強に成功。そしてさらにシューターの城宝を加えることで、今まで足りなかったピースが全てそろったといえるだろう。万全のメンバーで臨む今シーズンは優勝候補の一角を担うに違いない。

■ウェスタン・カンファレンス

大阪エヴェッサ
3連覇を狙う大阪にとって昨年のMVPパルマーが抜けたのは大きな痛手だ。しかし大分から機動力のあるマーシャルを獲得。彼がどれだけアジャストするかがシーズン序盤の課題だろう。とはいっても大阪の強みはリーグ随一の「安定感」。また、「勝負どころ」を知っているのも、さすが2連覇を成し遂げた王者といえよう。その抜群の安定感で今年もリーグを引っ張っていくに違いない。

高松ファイブアローズ
昨季、新規参入ながらファイナルへと駒をすすめた高松。打倒大阪に燃える高松は、大阪の高さに対抗すべく、リーチを獲得。さらに大型化した高松が大阪相手にどこまでインサイド勝負できるかに注目だ。また日本人プレーヤーの活躍も期待できる。岡田優の3Pに加え、今年は竹田のダンクにも注目したい。この2人のプレーは確実にチームを盛り上げるだろう。

ライジング福岡
福岡はフルタイム、オールコートゾーンプレスをできるだけのスタミナと脚力を持っているチーム。そのスタミナは脅威。だが、福岡の最大の強みはHCのニューマンだろう。彼は欧州・中東・中国など数カ国でHCを歴任し、レバノンのナショナルチームを率いた経験も持つ。相手の弱点を見事についてくるベンチワークで、試合の流れを引き寄せるだけのスキルを持ち合わせている。その手腕で試合をどう組み立てていくか大いに楽しみだ。

大分ヒートデビルズ
バラエティ豊かなチームがひしめき合う西カンファレンスにおいて、一番苦労するのは大分ではないだろうか。昨年とほぼ同メンバーで臨む今シーズン。大阪、新潟のように安定したチーム力を持ち合わせているのなら、選手の入れ替えは必要ないのかもしれない。しかし大分は昨シーズン、プレイオフにこそ進出したが、一歩抜け出る強さと底力はなかった。新しい血が入らないことでチームが活性化しないのでは?と懸念される。メンバーの入れ替えがなかったことが吉とでるか凶とでるか、シーズン序盤で答えが出るに違いない。

琉球ゴールデンキングス
バスケ熱の高い沖縄から参戦した琉球ゴールデンキングス。沖縄をホームとするチームだけに、個人技で魅せるバスケをしてくるだろう。爆発力はあるがその分チームとしては安定性に欠けるのが沖縄の弱点。HCのヘルナンド・プラネルズも30歳と若く、チームもまだまだ発展途上といえる。しかし一旦勢いにのったらなかなか止められない恐さがある。どれだけ西カンファレンスを引っ掻き回してくれるか期待しつつ、シーズンを通して成長していく姿を見守りたい。

■カンファレンス展望

東は新潟・東京、西は大阪・高松
今年は44試合と試合数も増え、東・西カンファレンス制度を導入した。初めての試みだけに東西の違いがどう影響するかも楽しみの一つといえる。東は新潟・東京、西は大阪・高松がリーグを引っ張るだろう。そこに新規参入の福岡・沖縄がどの程度絡んでいけるかも注目だ。ダークホースは埼玉。派手さはないが、着実に実力を伸ばしてきているチームだけに、台風の目となる可能性は高い。さらに注目してもらいたいのは、東西のチームがぶつかり合う交流戦だ。これを機にリーグ順位が大きく変動する可能性がある。カンファレンス制度ならではの醍醐味をブースターの皆さんには楽しんでもらいたい。

取材・文/柴田愛子

大阪エヴェッサ2連覇、ファイナルマッチレポート

ファイナル白熱したセミファイナルを経て、一夜明けたファイナル当日。アリーナでは高松のブルーとエヴェッサのレッド、2色が大きな塊となって、熱気を帯びた声援を送る。

セミファイナルの激闘を勝ち抜き、ファイナルのコートに立ったのはディフェンディングチャンピオン、大阪エヴェッサと今シーズン新規参入した高松ファイブアローズ。初代王者と1年目のチャレンジャーという構図が出来上がった。戦前の予想は大阪優勢。しかしレギュラーシーズンで大阪が唯一負け越したのは高松だった。相性の良さに加え、セミファイナルで新潟を破った勢いは一発勝負のファイナルでは脅威となる。「失うものはない、挑戦者としてぶつかっていきたい」(高松・岡田)と選手に気負いはない。対する大阪は新加入のチームには負けられないという初代王者の気迫が漂っていた。

4月22日(日)16:15にティップオフとなった試合は攻守が激しく入れ替わる激戦。立ち上がりから予想を上回るスピーディな展開に観客は興奮し、声援はさらに大きくなっていく。3Pの応酬にインサイドの激しいせめぎ合い、ダンクがリングを揺らしたかと思えば、ブロックショットでボールを叩き落す。もとよりサイズが大きく、得点力の高い両チームではあるがファイナルがゆえの、気迫のこもったプレーがさらに会場を沸かせた。

「昨日が競った試合で冷や冷やしたから、今日は引き締めて臨めた」と波多野が言うように、昨日とは明らかに違う大阪の姿がそこにはあった。得意とする早い攻めと堅いDF。コートに立つプレーヤーが個々の役割をしっかり果たし、隙を見せないのはさすが。対する高松も負けてはいない。満遍なく点が取れる外国人プレーヤーに加え、この日は中川が復活。前日のセミファイナルでは風邪で点滴をうって臨んだ中川。体調の悪さからか精彩を欠いていた。しかし会場の熱気とブースターの声援が力を与えたのか、放つ3Pは面白いようにリングに吸い込まれていく。彼の得点が高松を勢いづかせていた。

しかし、それを上回るシュート力をみせつけたのは、MVPを受賞したディビット・パルマー。3Pは7本中5本を決める成功率。それに加え、相手に流れが傾きかけた時に必ずといっていいほど決めてくるだけに、高松にとってたちが悪い。「チームメイトのサポートがあって出来たこと」とパルマーは口にしたが、彼の決定力が高松をねじ伏せたといっても過言ではないほど、その力は大きかった。結局、第1Qについた6点ビハインドを高松が終始追いかける形で試合は進み、最後は大阪が大舞台での勝負強さで高松を突き放した。しかし最終Qで3点差にまで詰め寄る底力を見せた高松。最後まで会場を沸かせた彼らの戦いぶりに両ブースターから惜しみない声援と拍手がおくられた。

再び王座についた大阪・天日HCは満面の笑みで記者会見場に現れた。「(今シーズン)出だしが悪く序盤で5連敗し、いろいろあった中でここまできた。ただただ嬉しいの一言です」苦しんだシーズンだっただけにその喜びは格別だろう。今シーズンの大阪は試合に出ている外国人プレーヤー達が一番に練習場に顔を出し、汗を流していたそうだ。彼らの姿をみて他の選手たちは感化され切磋琢磨することが出来たという。「試合に出ていなくても全員で戦っていた」と石橋キャプテンが振り返るように、チームの結束力と信頼感が、あの勝負強さを生んだのだろう。再び追われる立場となった大阪だが、来年はさらに強固なチーム力でシーズンを引っ張ってくれるに違いない。

2年目を迎えたプレイオフ。その戦いぶりは接戦に次ぐ接戦。結果は大阪が2年連続2度目の優勝を手にしたが、その差はわずかなものだった。例え、参入1年目であっても優勝は遠くないことを証明してくれた。来季は福岡と沖縄を含めた10チームで戦うbjリーグ。一体どんな戦いが繰り広げられるのか、更なる盛り上がりを期待したい。

(取材/文:柴田愛子)

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●河内コミッショナーコメント

プレイオフセミファイナルでは、各チームが緊張して本来の力が出せていなかったように見える。しかし、ファイナルでは両チームともチャンピオンになるぞという意識が前面に出て、その集中力が緊張を上回っていたと思う。非常にいいファイナルだった。

3位決定戦については、新潟がセミファイナルで負けた瞬間に落胆し、力が残っていなかったと思う。大分についてはチャレンジャー精神でぶつかり、行ける所まで行くんだという気持ちでプレーしていた。高松はバランスの取れたいいチームに仕上がっていた。bjリーグでは、アーリーチャレンジ制度を取り入れているが、それによって高松が中川、大阪が仲村を取り、その2チームがファイナルの大舞台に進む結果になった。

将来的にはホーム&アウェイ方式でプレイオフを行うことも検討しているが、今はまだ時期が早い。今後どういう方法をとれば盛り上がるのかを考えていきたい。

解説者・河内敏光、bjリーグ終盤戦展望 前編

リーグも残すところ2ヶ月となり、プレイオフ進出に向けて激戦が繰り広げられている。現在首位は大阪だが、2位新潟が得失点差でぴたりとマーク。そして3・4・5位争いは、4ゲーム差の中に3チームがひしめき合うという、大混戦の様相を呈してきた。いったいどのチームがプレイオフへの切符を手にするのか!?終盤戦の展望をバスケットボール解説者、河内敏光氏が大胆に予想する。
(インタビュー/構成:柴田愛子)

〜現在の各チームの印象について

Q:リーグも終盤戦に突入してきましたが、順位争いは大混戦です。まず現在首位を走る『大阪エヴェッサ』についてはいかがですか

大阪エヴェッサ河内:大阪はすごく安定している。それは下位チームに取りこぼすことがない安定感。まさに隙がないという感じだね。新潟は2月11日の大分戦のように、ポロッと負けてしまう時もあるけれど、大阪はそういうイメージがない。スタメンやメンバーチェンジは特定のメンバーで固まっているが、得点に関していえば出場した選手が満遍なくとっている。このまま首位を走ると思うね。

Q:『強さの大阪』に対して『試合巧者の新潟』というイメージがありますが

新潟アルビレックス河内:間違いないね。廣瀬HCの考え方は、まだ現段階では順位にはこだわってはいない。最終的に優勝するという目標は変わっていないだけ。しかし必ずファイナルでは大阪とあたると踏んでいる。その大阪相手に変な負け方だけは出来ないという気持ちはかなり強い。新潟は、5年前からプロとしてやっているというプライドをもっているだけに「絶対負けられない」と・・・。だから先週行われた(2/25、2/26)大阪との直接対決では、すごくいい内容の試合をしていたね。

Q:1勝1敗で痛みわけという結果でしたが

河内:いやぁ〜大阪にとっては大きな1敗でしょう。連勝していれば、新潟に3勝1敗と勝ち越せたけれど、これで五分にされてしまった。しかもこの後、新潟のホームで4試合も残っている。新潟はホームで負けなし(現在12勝0敗)だからね。大阪にとってはどうしても2連勝したかっただろう。それを天日HCも十分わかっていただけに、最後は熱くなってテクニカルファウルを犯してしまったのかもね。

東京アパッチQ:さて、3位に浮上した『東京アパッチ』に関してはいかがですか

河内:ここ最近の東京はチームが下降ぎみだった。特に2/11・12の大阪戦では、自分たちのバスケットが出来ないままに、叩きのめされたことで、モチベーションまでも落ちていたと思う。そんな時に試合が1週空いたことで、しっかりと調整が出来たのが有利に働いた。気持ちも切り替わって、いい準備が出来た状態で、当面のライバルである仙台戦に望めたから、あの2連勝につながったと思う。これでまた東京は息を吹き返すね。そんな東京の爆発力はどのチームもいやだろうな。

Q:反対に東京にとって、「浮き沈みが激しい」ということは不安材料では

河内:彼らの浮き沈みが激しい原因は、オフェンスでミスした選手がすぐにディフェンスに戻らないから。つまり、戻りが遅い。東京のような攻撃型の早いテンポのチームは、自分たちの得意なスタイルを相手にやられると一気に崩れる。東京は、オフェンスはみんな一生懸命やるけれど、ディフェンスを一生懸命やっている時間帯が少ない。いい時はいいけれど、駄目な時はどんどん点を取られる。それでジョン・ハンフリーやウイリアム・ピペンにミスが続くとメンバーチェンジする。そうするとオフェンス能力がガクッと落ちて悪循環に陥っていく。

Q:それでは4位に後退した『仙台89ERS』はいかがでしょうか

河内:一番粘りがあるのが仙台。これという決め手がないかわりに、どこから出てくるかわからない。形がない分、相手にとっては接戦になると一番嫌なチーム。あと、ターンオーバーが一番少ないチームでもあるね。派手なことをやらないから、確実性があるといえる。でもここ最近、いやな負け方が続いている。しかも接戦に持ち込んでいない。仙台の持っていた今までの粘りがなくなってきているように感じる。そこが気になるね。

Q:ディオウフ選手の怪我が思ったよりも長引いていますしね

仙台89ERS河内:ディオウフ選手がいないのは、とても大きな痛手。その他の外国人2人を休ませられないからね。でも反対にここ最近、大西裕之(写真)が台頭してきたりと、新たなオプションが増えてきたのは楽しみなところ。特に大西選手は何をするかわからない分、相手チームもとまどっちゃうんじゃない(笑)。

Q:そして、プレイオフ進出に向けて浮上してきたのが『大分ヒートデビルズ』ですが

大分ヒートデビルズ河内:チームの印象はガラッと変わったね。ヘッドコーチが代わって、やることが明確化したからだと思う。やらなくてはいけないことを、オフェンスでもディフェンスでもたくさん要求せず、的を絞って指示を出している。選手にとってはやろうとしていることが分かりやすくなって、気持ちよくバスケットができている。

Q:チームのスタイルにも変化はありましたか

河内:今まではホプキンスが動き回っている印象があったけれど、今は鈴木裕紀や三友康平に打たしておいて、ホプキンスがリバウンドを取りにいく形に変わってきた。特に鈴木裕紀は3ポイントラインから一歩内側に入ったところのシュート率がいい。最近は3ポイントの得点率も上がってきたから、相手はマークしづらいんじゃないかな。あとは以前のように、ミスをしてもなかなかメンバーを変えない状況とは違って、駄目な選手はどんどんメンバーチェンジさせられる。いい感じでチームが循環しているように感じるね。

Q:しかし大分はいい形で勝利しても、それが次に続かないという印象がありますが

河内:確かに今まではそうだったかもしれない。でも今回(2/25・26)埼玉に2連勝したのは大きい。今までの大分だったら1戦目接戦で勝っても、次の試合は負けているかもしれない。しかし埼玉との2戦目は圧勝で勝つことが出来た。この結果が、「自分達は勝てるんだ、連勝できるチームなんだ」という自信を植え付けてくれたと思う。結果がついてきたからこそ「自分達の目指す方向で間違いないんだ」と確信をもってプレー出来ている。大分は今後、台風の目になる。

Q:さて、埼玉はまだ苦しい状況から抜け出すことが出来ていません

埼玉ブロンコス河内:ここまで負けが込んでしまうと、接戦で勝つんじゃなくて、ぶっちぎりの大差で勝たなくては変われない。もう技術的なものじゃない、メンタルのみ。10点差がついたから、相手の出方を見るのではなく、離せる時に一気に離して大差で勝たなきゃいけない。今、埼玉がやるべきなのは、相手をどう抑えるかじゃなく、自分たちのバスケットを40分間やりきるということ。

Q:新しいオフェンスシステムに取り組んでいる埼玉ですが

河内:システムを変えるのは悪いことじゃない。でも、早く意思統一しなくてはいけない。今の埼玉はインサイドにボールが入った時に、そこで基点となる選手がいない。埼玉は素晴らしいシューターがそろっているんだから、わざわざインサイドで無理しないで、そこを基点として攻撃をしかけていけばいい。また、中で自由に動く選手がいないことで、3ポイントラインに5人並んでしまうことが多い。攻撃が単調になってしまうし、相手もプレッシャーをかけやすい。だからいくら外からシュートを狙っても成功率は低くなる。

Q:以前ならデービッド・ベンワーがインサイドで基点となっていましたが

河内:イナック・デイビスであれ、マーカス・トニーエルであれ、得点することに意識がいっている。もっと基点となることの重要性を伝えなければいけない。もし、自分がHCなら、清水太志郎をミドルポストで使って基点とする作戦もある。ミスマッチで有利な選手をインサイドにいれるのも面白い。

Q:埼玉が浮上のきっかけをつかむために一番必要なものは

河内:インサイドで基点となる選手が必要。そしてとにかく1勝すること。相手のことを考えずに、自分たちのスタイルを貫くことに専念するだけ。

★後編ではプレイオフ出場争いや、大阪・新潟の1位争いなどに迫ります。

インタビュー/構成:柴田愛子

解説者・河内敏光、bjリーグ終盤戦展望 後編

〜プレイオフに向けて3・4・5位争いについて

Q:現在、3・4・5位争いが大混戦となってきましたが

河内:5位の大分としては仙台に3位で突っ走って欲しかったんじゃないかな。東京とは直接対決が4試合も残っているから、一気にひっくり返せる可能性が高かった。東京をターゲットにしていただけに、想定外だろう。

Q:特に4位・仙台は終盤戦にかけて上位陣との戦いが続きますが

仙台・浜口HC河内:開幕して仙台はトップだったのは、上位陣とあたっていなかったから。だから今が一番つらい時だと思うよ。その一番厳しい時に、ディオウフの怪我が重なって、アウェイで上位陣と戦わなくてはいけない。この正念場をどう乗り切るかだね。(写真:仙台・浜口HC)

〜首位争いの行方は

Q:現在、得失点差で首位を争っている大阪と新潟ですが、今後の展開はどうなりますか

新潟・廣瀬HC河内:新潟・廣瀬HC(写真)は、レギュラーシーズンで1位になりたいというわけではない。もうすでにプレイオフに行けるのはわかっている。彼が今一番気にしているのは、3位にどのチームが来るか。どこだと戦いやすいかを考えている。とくに仙台の動向を見ながら新潟は戦うと思うよ。

大阪は絶対に1位でレギュラーシーズンを終えたいという気持ちだろう。それはプレイオフでの対戦相手を考えているのではなく、1位にこだわっているだけだと思う。その裏には、自分たちがトップになった時に、今まで使っていなかった選手を使いたいという気持ちがあると思う。

でもそんな緊張感のない状況で選手を起用しても、意味がないように感じるけどね。終盤戦において、大阪にとって一番の不安は、主力の離脱。現在はスタメン+2人の7人で戦っており、ほとんど固定されたメンバーだから、そこから怪我で2人ほど抜けると厳しいね。今、誰も怪我をしていないことが、終盤戦にもしや・・・ということもある。それがすごく心配。プレイオフは一発勝負だからね。

〜いきなり山場が!3月3・4・5日に何かが起こる

Q:3月3・4・5日は全てのカードが見ものですが、まずは新潟にホームを移しての首位決戦は

大阪・天日HC河内:首位の大阪は、1位で通過するためには、何がなんでも新潟にホーム初の黒星をつけなくてはいけない。新潟もホームで大阪にだけは絶対に負けられないという意地がある。これは、かなりの白熱した試合になると思うよ。(写真:大阪・天日HC)

Q:そして、埼玉vs.仙台も見逃せませんね、ここはテレビ中継もありますが

河内:特に仙台にとっては今週の埼玉戦がプレイオフ進出において、最大のヤマ場といえる。どんなことがあっても、2つとらないといけない。そうしないと、現在5位の大分がターゲットを東京から仙台に切り替えることになる。現在仙台は負け越している(12勝14敗)が、まずは埼玉に2連勝して勝率を5割に戻すこと。その後は選手が整うまで、1勝1敗を続ければいい。ここを5割で乗り切ったら、プレイオフに行けると思うね。

埼玉・ベンワーHC代行でも、今回はテレビ中継があるということで、埼玉の選手もかなりモチベーションは上がっていると思う。そんなチーム同士のぶつかり合いは、見ものだね。(写真:埼玉・ベンワーHC代行)


Q:そして、大分vs.東京は、いい流れできているもの同士の対決ですが

大分・桶谷HC代行河内:この結果が終盤戦の順位に大きく影響するのは間違いない。連勝したチームは勢いに乗れるだろう。大分は連勝したら、ベスト4へ食い込むだけでなく、一気にジャンプアップする可能性も出てくるし、これ以上引き離されないためにも、連勝するしかない。(写真:大分・桶谷HC代行)

東京・ブライアントHC東京は1勝1敗でもいいだろう。2連勝できれば大きなアドバンテージとなるのは間違いないけれど、2勝出来なくてもプレイオフの可能性は十分ある。東京は次に新潟戦があることで、次につなげたいという気持ちがあるだろうが、まずは目先の勝利を第一優先で戦って欲しい。東京はあまり先をみないことだね。(写真:東京・ブライアントHC)

Q:どのチームにとっても、今週末の試合は正念場といえるということですね

河内:1・2位争いは最終戦までもつれると思う。そしてプレイオフ出場をかけた争いも最終戦までもつれると思う。それを占う意味でも今週末の試合は大きなヤマ場と言えるね。

★各チームの状況はこちらでチェック!

インタビュー/構成:柴田愛子

個人ランキング 各部門10位までを掲載

全チームが24試合を消化。そこで今回は個人ランキング各部門の10位(得点のみ20位まで)をご紹介します。bjリーグ公式ホームページではランキングの3位までを掲載、また「au」「Vodafone」でサービスしています公式携帯サイトでは5位までを見ることができます。

☆bjリーグ公式サイト個人ランキング
☆公式携帯サイト(au、Vodafoneのみ)の詳細はこちらから

※ランキングの対象となるのは消化試合に対し、85%以上の試合(現時点では21試合)に出場した選手のみとなります。

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<得点ランキング> ※1試合平均得点
1位 東京 ハンフリー 23.0
2位 仙台 ラリー 22.3
3位 東京 ピペン 22.1
4位 大阪 ワシントン 21.4
5位 新潟 デービス 18.1
6位 大阪 ロティック 16.5
7位 新潟 ギャリソン 16.1
8位 仙台 ジャクソン 15.6
9位 大阪 ニュートン 15.2
10位 埼玉 デイビス 13.2
11位 埼玉 清水耕 12.0
12位 大分 ロング 12.0
13位 新潟 小菅 10.7
14位 大阪 波多野 9.4
15位 新潟 寺下 9.1
16位 大阪 城宝 9.1
17位 東京 仲西 8.6
18位 新潟 佐藤 8.3
19位 埼玉 清水太 7.9
20位 仙台 村上 7.5
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<アシスト> ※1試合平均
1位 大阪 ロティック 4.6
2位 新潟 藤原 4.3
3位 大分 鈴木 4.0
4位 大阪 ワシントン 3.8
5位 仙台 ジャクソン 3.4
6位 新潟 ワイチ 3.2
7位 仙台 ラリー 3.1
8位 新潟 ギャリソン 3.0
9位 埼玉 清水太 2.8
10位 東京 仲西 2.7
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<リバウンド> ※1試合平均
1位 新潟 デービス 15.2
2位 大阪 ニュートン 11.9
3位 大阪 ワシントン 11.1
4位 仙台 ラリー 10.6
5位 埼玉 デイビス 9.8
6位 新潟 ギャリソン 9.2
7位 東京 ピペン 9.0
8位 仙台 ジャクソン 8.4
9位 大阪 ロティック 7.5
10位 大分 ロング 7.3
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<スチール> ※1試合平均
1位 仙台 ジャクソン 1.9
2位 東京 ハンフリー 1.7
3位 大阪 ロティック 1.7
4位 東京 ピペン 1.5
5位 東京 仲西 1.4
6位 仙台 日下 1.3
6位 新潟 小菅 1.3
8位 仙台 ラリー 1.2
9位 新潟 ギャリソン 1.1
9位 埼玉 清水太 1.1
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<ブロックショット> ※1試合平均
1位 大阪 ニュートン 2.6
2位 新潟 デービス 2.4
3位 仙台 ジャクソン 1.6
4位 仙台 ラリー 1.4
5位 東京 ピペン 1.3
6位 大阪 ワシントン 0.8
7位 東京 ハンフリー 0.7
8位 大阪 波多野 0.7
9位 埼玉 デイビス 0.7
10位 大分 ロング 0.6
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<フィールドゴール成功率> ※1試合平均
1位 新潟 デービス 61.8%
2位 仙台 ジャクソン 58.9%
3位 大阪 ワシントン 53.4%
4位 仙台 田中 52.3%
5位 大阪 ニュートン 50.8%
6位 新潟 ギャリソン 49.5%
7位 大分 ハートマン 48.5%
8位 新潟 ワイチ 47.7%
9位 東京 ハンフリー 46.2%
10位 東京 ピペン 45.9%
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<フリースロー成功率> ※1試合平均
1位 埼玉 青野 85.0%
2位 新潟 ギャリソン 83.1%
3位 大阪 ロティック 83.0%
4位 仙台 日下 80.0%
5位 大阪 ワシントン 79.0%
6位 東京 ハンフリー 78.4%
7位 大分 ロング 77.6%
8位 大阪 パルマー 76.6%
9位 大分 鈴木 76.5%
10位 大阪 城宝 75.8%
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<3Pシュート成功数> ※合計
1位 大分 ホプキンス 61
2位 大分 三友 50
3位 大阪 ロティック 49
4位 東京 ハンフリー 46
5位 新潟 小菅 44
6位 大阪 城宝 43
7位 埼玉 清水耕 43
8位 東京 ピペン 41
9位 仙台 ラリー 39
10位 新潟 ギャリソン 36
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<ダンクシュート数> ※合計
1位 仙台 ラリー 39
2位 大阪 ニュートン 35
3位 東京 ピペン 24
4位 新潟 デービス 19
5位 仙台 ジャクソン 16
6位 大阪 ワシントン 14
7位 東京 ハンフリー 12
8位 新潟 ギャリソン 7
9位 埼玉 デイビス 4
10位 大分 ロング 3
――――――――――――――――――――――――
<出場時間> ※合計
1位 仙台 ジャクソン 909分
2位 東京 ピペン 841分
3位 大阪 ワシントン 815分
4位 大阪 ロティック 790分
5位 仙台 ラリー 781分
6位 埼玉 デイビス 771分
7位 新潟 ギャリソン 754分
8位 東京 ハンフリー 742分
9位 大阪 ニュートン 738分
10位 大阪 波多野 732分

合同トライアウト第一次選考レポート

合同トライアウト2006-2007〜「バスケがしたい」への思いをプレーに込めて〜
合同トライアウト2006-2007が開催!

「合同トライアウト2006-2007」の第一次選考が1月26・27日の2日間にわたって千葉県の船橋市運動公園体育館で開催された。2日間の参加者は合計350名。今回の一次選考で合格したメンバーは、5月上旬に行われる最終選考を待たずにbjリーグでプレーすることも可能なだけに、参加者の表情にも気迫がみなぎる。

今年の注目は、先日JBLから脱退しbjリーグへの参入を表明した「福岡レッドファルコンズ」から参加した庄司・上山・田中・根間・城間の5選手。庄司選手は「まだ気持ちの整理がついていない」と現在の複雑な心境を口にしたが、「どういう形にしろバスケを続けたい」という強い思いからトライアウト参加を決めたと語った。

また来シーズンからbj参戦が決まっている「富山グラウジーズ」からも石橋選手が参加。「若いスピードについていくのが大変だった」と今年で38歳を迎えるベテランプレーヤーは参加者のレベルの高さに驚いていた。経歴や年齢、国籍は様々だが、全ての参加者に共通するのは「バスケがしたい」という熱き思いだ。各チームのヘッドコーチ・チーム関係者、また多くの取材陣が取り囲む中、1プレー1プレーにバスケへの思いをこめてコートを駆け回る受験者の姿があった。

11月に開幕した今シーズンのbjリーグは、ようやく折り返し地点を迎えた。今回の参加者の中から、2月以降の公式戦の舞台でブースターの歓声を受けるプレーヤーが現れることを期待したい。

Reported by 柴田愛子

<今後の予定>
2月初旬 合同トライアウト第一次選考合格者発表
5月上旬 合同トライアウト最終選考
5月下旬 ドラフト会議
11月予定 2006-2007 シーズン開幕

★bjリーグ後半戦日程
★選手契約に関する新制度の創設

バスケットボール解説者河内敏光 今後のリーグ戦展望

日本初のプロバスケットボールリーグ「bjリーグ」が開幕し、はや1ヶ月。NHKのNBA解説者・河内敏光氏(bjリーグコミッショナー)に、ここまでの戦評を伺うとともに、今後の展開をズバリ予想してもらった。

ワシントン……開幕して1ヶ月ですが、ここまでの戦いぶりをどうご覧になりますか?

現在首位の大阪は、ホームでは2勝2敗だけど、アウェイで5勝0敗。なぜ、あれだけアウェイで調子がいいか。それはリン・ワシントン(写真)という新潟アルビレックス出身の選手の存在が大きいと思うね。彼は敵地でブーイングがおこればおこるほど力を発揮する選手。彼の凄いところは、スーパープレーが出た時、「もっと盛り上がれ」と観客を巻き込んでチームを盛り上げることが出来る。

そして33番のPG、マット・ロティックもいい。いいPGがいるチームは、必ずゲームが安定する。ゲームにはいい時と悪い時の波がある。悪い流れになる手前でそれを察知しいち早く修正できるかどうか。マット・ロティックはそれが出来る。だから大阪は安定した戦い方が出来るんだろう。

ガードの働きという点でいうと、埼玉は物凄くもったいない戦い方をしている。清水耕介と清水太志郎の両ガードがいい動きをしている時でも、同時に二人とも代えてしまうことがある。どちらか一人が残っていれば今までの流れを引き継ぐことが出来るけど、二人変えてしまうとリズムが本当に狂ってしまう。

……そういった選手交代も含め、ベンチワークは重要ですね

ブライアントHCすごいなぁ、と思うヘッドコーチは東京のジョー・ブライアント(写真)。選手の起用法がいい。大場や信平、勝又あたりの今後伸びる可能性が十分にある選手を上手く使っているし、それによって日本人もチーム全体のモチベーションも上がっている。彼の存在は東京だけじゃなく、bjリーグにとってもプラスになっているだろう。

……現在最下位でなかなか波に乗り切れない大分については?

大分は素材のいい選手がそろっているが、それを生かしきれていない。ファウル数が多いことも気になる。それが全部違うファウルならまだしも、同じものばかり。そこが徹底されていない。だから無駄が多い。大分が1月の後半戦の出だし、ここからが大分の開幕だというくらい、心機一転気持ちを変えていかなくてはプレーオフ進出は厳しい。

……3位の新潟の動向も気になるところですが

新潟は飛びぬけて凄い選手はいない。だからこそ満遍なく選手が出場している。例えこれから怪我人が出てきて、7〜8人で戦うことになったとしても、新潟にとっては大きな問題ではないだろう。新潟は絶対プレーオフにいく。廣瀬ヘッドコーチはこの40試合を確実に2位、最悪でも3位を狙っている。彼の中ではレギュラーシーズンであえて1位になる必要はない。プレーオフにいって、最後の最後で刺しきるという考えなんだろう。1位は大阪だと思っているから、いきなり準決勝では当たりたくないと思っている。だから廣瀬ヘッドコーチは間違いなく2位か3位狙いで今後も戦っていくと思う。

……今後の展開で、どんな点に注目したらいいですか?

仙台現在0.5ゲーム差で2位につけて調子のいい仙台(写真)だが、実はまだ大阪・新潟・東京といった上位陣とはあたっていない。だから今週末の首位攻防戦、仙台vs.大阪は見もの。仙台にとっては正念場といえるだろう。この2連戦、仙台が1勝1敗で乗り切ったら、優勝の可能性があるね。

勝敗の鍵は、メンバーチェンジ。どちらのヘッドコーチが外国人選手を早めに下げるか。そしてその時に、相手チームのヘッドコーチがどう対応するかが、ポイントになってくると思う。でも、こんなこと書いたら両チームのヘッドコーチが見て、「あーそうしよう」ってなっちゃうか(笑)。今週末の首位攻防戦で勝った方が、前半戦を1位で走るだろう。

(インタビュー/文:柴田愛子 Photo:アフロスポーツ/bj-league 12月16日掲載)
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